ウィーン万国博覧会で世界を魅了した日本文化とは?

日本史
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皆さんにとって『文化』とは何ですか?

日本には世界に誇れる文化がたくさんあります。

着物や華道、茶道、歌舞伎、武道など。

今回はそんな文化へ着目して、文化とは何かについてお話を進めてみましょう。

日本文化が世界へ広がった『ウィーン万国博覧会』

世界に日本文化が披露されたのは、約150年前の1873年に開催されたウィーン万国博覧会です。

駐日オーストラリア・ハンガリー代理公使に誘われて「はじめて」公式参加した万博です。

出品された品々は、日本文化を代表する品そのものでした。

中には、正倉院の宝物(楽器や刀剣など)や山梨県御嶽神社の「御神宝水晶玉」、鎌倉鶴岡八幡宮に所蔵されていた「籬菊螺鈿手箱」など国宝級のものも多数含まれていた。

  • 浮世絵、錦などの染織品
  • 漆器、櫛、人形などの工芸品
  • 仏像、楽器、刀剣、甲冑、伊万里・瀬戸・薩摩焼などの陶磁器に至る美術用品
  • 一般庶民が日常使用している生活雑器、家具、道具、農耕具、漁具、仏具にいたる生活用品

澳国博覧会場本館日本列品所入口内部之図

出典:[澳国博覧会場本館日本列品所入口内部之図] – 国立国会図書館

一番驚くのが屋外の約1300坪の敷地に神社と日本庭園を模した展示スペースです。

神社と日本庭園はとても評判が高く、釣られるように展示物も飛ぶように売れたそうです。

いい例がうちわが1週間で数千本が売れたそうです。

日本庭園・神社

出典:日本庭園・神社 – 国立国会図書館

選定は日本人がしたの?

では、この選定は日本人が行ったのでしょうか?

実は、違うんです。

オーストリアの公使館員であるシーボルトが推薦した、ドイツ人のお雇い外国人ワグネルの指示によるものでした。

ワグネルは、日本では近代工業が発達していなかったので、西洋と同じ機械製品では埋もれてしまいます。

そこで、日本には精巧な美術工芸品がたくさんあることに目を付け、美術工芸品を中心に出品した方がいいと考えたわけです。

日本文化とは?

ウィーン万国博覧会では日本文化をアピールしようと、様々な品を出品しました。

では、そんな日本文化とは何なんでしょうか?

その答えは、縄文土器の一種である火焔型土器にあります。

火焔土器

火焔土器

理由は、火焔型土器の最大の特徴である「鶏頭冠」と呼ばれる4つの突起を持ちますが、立体的装飾だけでなく実際に煮炊きにも使われていました。

突起はただのデザインというだけではなく、概念を持って付けられているということが分かります。

このような特徴を持った土器は、当時の日本列島周辺には存在していなく、「縄文文化は日本文化そのもの」と言えると思います。

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渡来人のもたらした文化も独自

日本独自の文化を考えるときに問われる最大の課題が「起源」です。

中国大陸・朝鮮半島などから来た渡来人のもたらした思想や技術などの広範囲な文化も日本独自といえるのか、という問題です。

古代日本で行われた治水や灌漑、稲作なども渡来人から伝えられた技術だと言われています。

しかし、日本人は渡来した文化すべてを許容したわけではなく、日本人の特質や風土にあうものだけを取捨選択して取り入れてきました。

そこから「渡来した文化も含めて、日本文化である」と考えてもいいと思います。

まとめ

ウィーン万国博覧会ではじめて世界へ披露された日本文化は非常に驚くものでした。

精巧に作り込まれた美術工芸品の数々は世界の人の目を引き付けました。

そんな世界を魅了した日本文化をお伝えしてきました。

日本文化とは、縄文文化と取捨選択された渡来した文化

今日はこれを覚えて帰ってください。

またお待ちしております。

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